スネル中4日、山本中5日 ― ドジャースのシリーズローテーションに見る戦略とリスク

2025年のポストシーズンで、ドジャースはエース左腕ブレイク・スネルを中4日、右腕エース山本由伸を中5日で起用するというローテーションを採用した。これは、両投手をそれぞれ第1戦・第2戦に先発させ、以降の再登板を視野に入れた短期決戦仕様の配置である。
この戦略の狙いは明確だ。
左のスネル、右の山本という“二枚看板”を交互に出すことで、相手打線に同じタイプの投手を続けて当てないようにし、かつ両者をできる限り多くの試合で使う。ポストシーズンでは中4日ローテが一般的とされるが、山本はシーズン中から登板間隔を1日多く取る中5日ペースで調整しており、体調維持を優先する配慮が見られた。
一方で、スネルはメジャーでも数少ない“中4日を苦にしないタイプ”だが、2024年以降は度重なる肩・肘の張りを抱えており、連戦ローテーションでの消耗が心配された。山本に中5日を与えた背景には、移籍2年目での疲労蓄積と、体格・投球フォームの繊細さを考慮した球団の判断があると見られる。
ただし、この二段構えのローテーションにはリスクも伴う。
スネルが中4日での調整を崩せばシリーズ後半の再登板が不安定になり、山本の登板間隔を空けすぎれば、シリーズの流れを左右する第6戦・第7戦での投手不足を招く可能性がある。実際、ドジャースはそのバランスを取るため、山本を第5戦で中5日、さらに第7戦で中0日リリーフに回すという“緊急策”を取ることになった。
結果的にスネルが中4日のローテーションを守ったことが山本に余力を与え、中0日リリーフ登板が可能になったのではないか。そして、山本はメジャー有数の投手となった。
短期決戦では一定の成果を上げたものの、長期的視点では投手の酷使と疲労リスクを内包する構成であり、来季以降の調整や故障管理に影響を与える可能性もある。同時に**エースたちの肉体を削る“刃の両面”**でもあった。
追記:当然ながら、山本投手はワールドベースボールクラッシクを辞退して、来季の調整を最優先にして欲しい。